出産について
2023-03-31※妊娠・出産に関する内容なので、見るのが辛い方もいると思います。そういった方はどうかご無理なさらず、ご自身の気持ちをどうか責めずにいてほしいです。
ご報告
私事ですが、2月に双子を出産しました。
妊娠高血圧症候群をはじめとした様々な症状により、正期産で母体がもたないとの医師の判断により、後期早産でした。
NICUの病院への搬送の可能性もあったのですが、産声をあげてくれたため、なんとかそれは免れましたが低体重児だったため、2人ともしばらく保育器で過ごしました。私が退院した後も1か月ほど入院しておりましたが、先日ようやく退院することができましたのでご報告いたします。
多胎妊娠のため「安定期」と呼べる時期がないということ、さらに身近な友人の流産経験、また仕事上、妊娠だけでなく流産や死産についても学んできたことで、妊娠中は無事出産を迎えられるかという不安が常にありました。
そのため、妊娠期からご報告することを控え、出産してからご報告させていただくことにしました。
区民のみなさま、そして日頃から応援してくださっている方々には、つわりが酷かった初期の夏ごろからご連絡が滞ってしまったり、「体調不良」とお伝えしてしまったりしていたため、大変ご心配とご迷惑をおかけいたしました。
私にとって、生まれてきてくれた子たちに出会うことは「夢」でした。
初めてこの子たちが産声を上げあげて対面したときのことは産後の今でも鮮やかに私の中に残る記憶で、それは私の夢がかなった瞬間でもありました。
「ありがとう」という言葉以外見つからず、子が宿ったことも、無事に生まれてきてくれてたことも、活気があることも、奇跡のようで、ただただ感謝の気持ちでいっぱいで…今でも思い返すたびに胸の中は愛おしさでいっぱいです。
「守っていきたい」とこれほど強く誰かに対して思ったことはありません。
当事者として
妊娠前から妊娠中、そして出産まで、出自を知る権利、生殖補助医療(不妊治療だけでなく精子、卵子、胚等の提供を含む医療)によって生まれた子のこと、レズビアンカップル、トランス男性の妊娠、選択的シングルマザー、ひとり親、多胎の親、障害がある子やその親…自分の当事者性と、あらゆる自分の当事者性と隣り合わせにいる当事者の方たちが医療を受ける際のことを想わずにはいられませんでした。
私自身は妊活中、出産の際に利用した病院の医療関係者の方々のおかげで、「ありのまま」いることができましたが、今の日本でどれだけシスヘテロカップル(男女のカップル)と同じように自分を偽ったり何かを隠したりすることなく、妊娠した人が「ありのまま」の自分で妊活から出産を、子育てをできるのだろう、と。
私は4年前、初めて選挙に挑戦したとき「自分らしくいられる北区、なりたい自分になれる北区」ということを訴えてきました。
この1期4年の間にLGBTQ+相談窓口が開設でき、制服の男女表記が削除され、対応ハンドブックができ、改訂もされ、念願のパートナーシップ宣誓制度もでき、それと同時に区営住宅の入居も同性同士可能になり、もし職員で同性パートナーがいて申請すれば慶弔休暇は男女カップルと同じように取得可能になった…でも区内の医療は?民間の住居は?
まだまだ課題は尽きません。
特に妊娠期、本当に不安で体調や心身の変化もさまざまな時期にマイノリティが「ありのまま」社会に受け入れられていることがいかに重要か、ということも妊娠期は常に考えて過ごしてきました。
すべての女性が、一人で出産する選択肢も、うまないという選択肢も、生涯子をもたないという選択肢も…様々な選択肢を、生き方を、自分の身体を大切にする方法を、尊重される社会にしたい。
出産を希望する人(女性、トランス男性、ノンバイナリー、クィア…)すべてが等しく安全な医療の下、出産を迎えられるようにしたい。
そう願うとともに、私自身そうした社会をつくる一翼を担っていきたい、次の世代へ繋げていきたいと今まで以上に強く想うようになりました。
当事者として、その現実を、今いる北区からこれからも変えていきたい。
多くの人が「当たり前」に受け入れられることを、その「当たり前」の選択肢を私は増やしたい。
次の4年に何をしたいのか。私が妊娠出産を経て、次の4年で取り組みたいことは、「当たり前」の選択肢を増やすこと。
4年前と初心は変わらず、女性をはじめとするあらゆる社会制度上のマイノリティであっても「ありのまま」いられる社会の場を、少しずつ広げていくこと。
そのためにはやはり、そういった視点を制度や政策に入れていくことが肝心だと思っています。
最後に…
妊活中の副作用による眠気や腹水が溜まったことによっておきた脱腸、初期から続いた終わりの見えないように思われたつわり、後期になって訪れた妊娠高血圧症候群からくる浮腫みや動悸など身体の様々な不調、薬の副作用による手の震え…妊娠期の体調の変化は想像を絶するものがありました。
あたらしい命を、人をこの世に送り出すことはまさに命がけの所業なのだ、と痛感しました。
そんな自分の身体であって、自分の身体でなくなったような妊娠期間中をなんとか乗り越えることができたのは、支えてくれた家族、友人たち、北区立憲クラブの赤江なつ議員、大畑修議員、佐藤ありつね議員をはじめとする立憲民主党の多くの仲間、相談に乗ってくれた出産経験のある先輩議員たち、そして医療関係者のみなさまのおかげでした。
赤江なつ議員は、つわりが酷く一日何度も嘔吐を繰り返し、公共交通機関を利用することができずにいた私を、議会中など役所へ行く際は送迎してくれ、ずっと温かく支えてくれていました。また、大畑修議員や佐藤ありつね議員も「お腹のあかちゃんたちが無事に産まれてくることと、うすいさんの体調が一番だ」と言ってくれて交代がきくような会議はかわってくれました。
多胎のため医師からとにかく無理をするなと言われてしまい、思うように二連ポスターを貼れずにいたときは他の地区から自分の活動もある中、世田谷区の中村公太朗区議が音頭を取って、須山たかし都議、西崎つばさ都議、中田たかし都議、関口健太郎都議、江東区の酒井なつみ区議、葛飾区の門脇翔平区議、今度品川区議選に挑戦する予定の東ゆきさん、目黒区議選に挑戦する予定の細貝悠さん、立憲民主党の先輩議員や同期の仲間たちが手伝ってくれました。
そして妊活から出産で3つの産婦人科にお世話になったのですが、そこでは本当に手厚く、心身ともに親身に寄り添ったケアをしていただきましたし、生殖補助医療を受けた産婦人科と出産した産院では「ありのまま」過ごすことができたことで様々不安を相談することができました。
本当にありがとうございます。
支えてくれた方々には、感謝してもしきれません。
出産直後に選挙が控え、4年前のように思うようには動けない、そんな過酷な状況で正直不安でいっぱいではありますが、たくさんの「ありがとう」の気持ちを胸に、その想いを力に変えて、温かい政治をつくっていきたいです。
なぜ、妊娠が一期目のこの時期だったのか、ということなどは政治(法律)と密接にかかわることでもあるので、また後日お話させてください。