出産について – 仕事と選挙
2023-04-01妊活から多胎妊娠中の仕事
初めての妊娠、出産…仕事が今までのように(夜中の会議をいくつか入れたり、睡眠時間を削って早朝まで本会議の質問原稿を作成したり、1日に2、3個オンライン勉強会を入れたり…)思うようにはできないということ、選挙の時期の間近になってしまうことを「覚悟」はしていたつもりでした。
それでもいざ、実際に妊活をしてみると、当たり前ですが自分の身体とはいえ受精させるタイミングを選べるわけではなく、病院には往復時間をかけて待ち時間も2、3時間はざらで、薬の副作用がきいて眠くなったり、自分の身体のコンディションを整えなければならなかったりという状況でした。妊娠してみると、想像以上に身体の変化が激しく、つわりや妊娠高血圧症候群によるむくみやそれに伴う諸症状で呼吸も苦しく、薬の副作用で動機と身体や手の震えが止まらず…そういった一つ一つの症状の詰め合わせのような状態は過酷で、全く思うようには動けませんでした。
妊娠期の早いうちに多胎であることが分かったため、産後のことも考えて両親のもとでの里帰り出産を決めました。
妊婦健診で通っていた病院からは「飛行機に乗るならとにかく早めに帰るように」と言われ、出産する病院からも「28週より前に健診に」と言われていました。
北区は2021年から議会会議規則が変更され、産前産後休暇が取得できるようになっていたので、産前休暇は少し早めに取らせてもらいました。(妊娠の産前休暇は6週間、多胎妊娠は14週間です)
産前休暇中、本会議や委員会に出席することはできませんでしたが、区民相談やオンラインの勉強会には自分の身体が限界を迎える管理入院頃までお受けしていました。
(因みに12月に参加した一般社団法人Colaboによる1日9時間半×4日間のオンライン講座などは一番ハードで途中ふうふう言ったり横になったりしながら受けていましたが…笑)
そして出産を終え、自分が退院してからは低体重児としてうまれて病院にいる双子に往復3時間かけて会いに行き、母乳を届ける日々。
双子が無事退院してからは、喜びや幸せをかみしめながらも搾乳、ミルク、沐浴、おむつをかわるがわる行うとあっという間に1日が終わる日々…
それでも確実にやってくる、一番危ないと言われる「二期目の選挙」への挑戦。
生殖補助医療を受けての出産も、仕事も、私は諦めたくなかった。
シスヘテロの男性議員であれば、多くの場合諦めずにいられることが、どこか天秤にかけられているような感覚を持つこと自体、社会制度が整っていないことの証左だとも…
私が10代、20代の頃「もっとジェンダー平等な世の中だったら…」と思わずにはいられなかったことが多かったからこそ、「次の世代にこういう感覚やモヤモヤ、不平等感のある世の中のバトンを渡したくない」という想いは人一倍あります。
生殖補助医療を受けることも、声をあげて変えていきたい。
政治活動や選挙活動も、いつまでも旧来通りでは女性を含む多くのマイノリティが代弁者として立つこと自体難しくなってしまい、議会に多様な声が届かなくなってしまう…
だからこそ、4年前のように朝から晩まで1日3時間ずつ、6時間から9時間ほど駅に立っていたような選挙の戦い方をせずにいきます。
それは大変怖いことではあるけれど…すこしでも次の世代のロールモデルになれば…と思っています。でも、そう思うことができたことも、周りにいて道を均してくれていた先輩議員女性たちや、マイノリティ議員たちのおかげだと感謝しています。
選挙の「当たり前」を変えて、誰もが挑戦できる政治へ―“しない”づくしの選挙―
前回も「選挙」を熟知している方から「そんな選挙で大丈夫か?」と言われるほど、いわゆる多くの人が想像する「選挙」とかけ離れているような選挙ではありました。
事務所開きを行わなかったり、えいえいおーをしなかったり、NO選挙カーだったり…
選挙で「当たり前」だと思われているようなことを行わなかったので、選挙慣れしている方に「事務所開きはいつ?」と聞かれて「事務所開きはありませんが、いつでもopenしています!」という感じでお答えして(つまり“事務所開き”なるものも行わなかったんです、“選挙事務所”的なモノを借りなかったので)おしかりを受けたこともありました。
今回は、事務所も借りません、決起集会もしません、相変わらずNO選挙カー(選挙カーを使用しません:寝ている子どもを起こしてしまったり夜勤明けの方の睡眠の妨げになったりするので駅や大きい道以外でスピーカーを使用しません)、公選ハガキも使いません。
と、また「しません」のオンパレードな、選挙スタイルではありますが、出産・子育てを諦めず、なるべくお金もかからないような選挙にチャレンジすることができたら…自分たちの後に続く女性や若者、マイノリティで生きにくいと感じている人たちも政治に参画しやすくなるのではないか…そんな思いで挑戦したいと思っています。
1期目で政策の実現なんて、ましてや条例やそれに近いような制度をつくるのは難しいよ、とずっと言われてきました。
その中で、パートナーシップ宣誓制度ができたこと、これは本当に議会の先輩方にも言っていただいていますが、自分の中の最大の功績だと思っています。
パートナーシップ宣誓制度も、ただ制度ができたというだけでなく、同性パートナーの区営住宅の入居も、北区内で整えられる職員の慶弔休暇等、同性パートナーでも取得することができるようにということも、同時に実現することができました。
さらに、LGBTQ専用の相談窓口も設置し、LGBTQの『職員のための「性の多様性」に関する対応ハンドブック』もつくっただけでなくこの4年の間に改訂も行って、区民の方や事業者、学校の先生などあらゆる場面を想定したさらに具体的な内容にすることができました。
しかし、それだけやっても、まだ私としては区営以外の住まい、つまり民間の不動産との連携(同性カップルというだけで異性カップルのようには受け入れてもらえない、まして国際カップルで片方が外国人だと受け入れられない等)や、安心して医療を受けられる体制づくり(トランスジェンダーやレズビアンであると検診を受けない割合が高いという現実があります)、そして宣誓証明書に子の名前を補記できないこと…はさらに変えていきたい、推し進めてアップデートしていかなければいけない課題であると考えています。
政策のコアな柱の一つであるジェンダー平等のうちのLGBTQだけでもまだこれだけ道半ばです。
これからは多胎児、子育て、ひとり親…そういった当事者としての視点も持ってさらに活動できたら…そんな風に思っています。
ぜひそんなうすい愛子を応援していただける方がいらっしゃいましたらメールやSNSやこちらのフォームからご連絡いただけましたら大変ありがたいです。
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